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息子が家でごはんを食べない夜――ひとり分のうどんが教えてくれる「わたしの人生の味」

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あっさり味の鶏肉と昆布だしうどん。

今日は、冷凍庫にストックしている唐揚げ用カットの鶏むね肉をふたつ取り出した。

「唐揚げ用」とマジックで書いた日付は、たぶん2週間前。
減らない。一人用は冷凍保存でも減らない。

お肉類をあまり買わなくなった。野菜どっさり入れようと思ったけどやめた。
気休め程度の「節約」で、ネギだけにした__。
見た目は、あまりよくない。けれど、あっさりして、癒される味だった。

 

最近、息子は家でご飯を食べない。

友人と外で済ませたり、バイト先で食べたり。
「いらない」と言われると、寂しい気もするけど仕方がない。

心の中で、「あと、何年、母親の手作りを食べられると思ってるの?」
とも、思うけど、そういうことは、息子が結婚したり、遠くに離れて住んでいれば同じこと。

結局、親のエゴなんだろうと、自分の中のちょっとした寂しさも鎮静させる。
それでも、作る習慣はなかなか抜けない。

結局、自分ひとり分を作るとき、ちょっとした工夫や省略を覚えていく。

今日のうどんも、手間は最小に、味は極上に___そのひとつ。

ひとりの台所でうどんんをすすりながら、「暮らしって案外こういうものかもしれない」と思った。

最近は“うどん率”が高いです。パリパリキュウリは自家製の作り置き瓶詰め

家族の食卓

家族がそろって食卓を囲む時間は、もう過去のことかもしれない。
けれど、それを寂しいとだけ、ただ思うのは違う。
息子が外で食べている間に、私は私の生活を整えている。
食材を少しだけ冷凍しておく、簡単に作れる一品を見つける、
そんな小さな発見も、私の日常も心も、別の意味で支えている。

湯気のたつうどんをすすりながら、ふと気づいた。


誰かのために作るご飯から、自分のために作るご飯に変わっただけ。
それは、暮らしが少し大人になったということかもしれない。

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