ふと星空を見上げて、「あの光の向こうには何があるんだろう」と思うことがあります。
その感覚って、どこか“死後の世界”を想うときに似ていませんか?
私たちは、宇宙の中でほんの一瞬を生きる小さな存在です。
でも、身体を作る粒子ひとつひとつは、何十億年も前、星の中で生まれたもの。
つまり、私たちは宇宙のかけら。
死ぬことは、消えることではなく、宇宙に還ること――そんな風にも思えます。
科学的に言えば、星も人も同じ物質の循環の中にいます。
星が爆発して塵になり、その塵からまた新しい星や命が生まれる。
だから、死とは“変化”であり、“再生”の始まりでもあるのです。
でも、単なる物理の話では片づけられない何かがありますよね。
「人の意識」や「魂」と呼ばれるものが、どこへ行くのか。
古代の人々は、魂は星のあいだを旅すると考えました。
エジプトでは“死者は星になる”と信じられ、
日本の密教では“宇宙(大日如来)に帰る”と教えます。
つまり、「死=宇宙への帰還」。
この考え方は、宗教を超えて、だれもが心の奥に響くのではないでしょうか。
そして最近では、量子物理学でも「情報は消えない」と言われます。
もし意識が情報のひとつだとしたら、
私たちの“思い”や“愛”のようなものも、どこかに残り続けるのかもしれません。
宇宙は、そんな無限の記録装置のようにも感じます。
星空を見上げると、不思議と心が静まります。
遠いのに、なぜか懐かしい。
もしかしたら、それは“帰る場所”を思い出しているからかもしれません。

死はこわいもの、終わりと思われがちだけれど、
わたしはこう考えるようになりました。
「帰る」という自然な流れの一部。
そう思うと、少しやさしい気持ちになれますね。





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