月末が近づくと、冷蔵庫の中もだんだん寂しくなってきます。
うちの「月末」は毎月8日と決まっていて、その前後は“お掃除スープ”の日。
昨夜のスープは、すいとんにしました。
小麦粉と水を混ぜて丸めて入れるだけの、なんとも素朴な料理。
小麦粉を混ぜるときは、すこしだけ、白だしと塩を混ぜています。

こんにゃくは、おでん用に買いましたが、使ってしまいました。冷蔵庫掃除です。
すいとん……思い出すのは母のこと。
母も昔、時々、すいとんを作っていました。
子どものころの母の話を聞くと、戦後の食糧事情のなかで食べた懐かしい味だと言っていました。けれど、私が覚えている母は、そんな苦労話ではなく、むしろ楽しそうに台所で作っていた姿です。農家だったので、それほど悲壮感がある食糧難ではなかったようです。
そもそもが、自分の家の畑で採れたものを食べていたでしょうからね。
そういえば、「食べ物がなくてひもじいと思ったことはなかったけど、米軍が1度だけ村に来て、もらったチョコレートが、すごくおいしく感じた」と言ってました。時代のリアルですね。

何年かぶりに冷蔵庫の有り合わせで作ったすいとん。鶏肉が入っていたら、もっと美味しかったかも
母は、白玉団子もよく作っていました。
白玉粉で作る「白玉水(白玉団子)」も好きで、氷を浮かべて冷たくして食べていました。
いま思えば、あのころの母は私よりずっと若くて、まだアラフォーだったんですよね。
自分が60を過ぎたいま、その母の姿を思い出して同じようにすいとんを作っている。
不思議だけれど、少しうれしい循環のようにも感じます。
母が思い出して作っていた味を、いま私が思い出して作る。やはり、変なところで、無意識に親子は似るものなのでしょうか。
何年ぶりかで食べたすいとん、おいしかったです。
今回は、東北風の味。少し甘しょっぱめな感じにしました。
夏になったら、母がよく作っていた「白玉水」を、
また久しぶりに再現してみようと思います。





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