あの世はあるのか
――大切な人を亡くしたあと、多くの人が経験すること
「あの世はあるのか」
信じたいわけでも、否定したいわけでもない。
ただ、起きた出来事を「何もなかった」と片づけるには、リアルすぎる……。
そんな不思議な出来事を経験したことがある人は、少なくないはずです。
誰でも、大切な人を亡くしたあと、振り返って思い出される出来事があります。
亡くなる直前に起きた、当時は、特に意味を持たなかった偶然。
あとから考えると、どうにも出来すぎているように感じる一致。
私自身も、娘を失う一週間ほど前、まったく偶然に、ある寺の境内に迷い込みました。
道に迷い、境内で車をUターンしただけの出来事です。
そのときは、特別な意味など何も感じていませんでした。
けれど、その後、その寺が菩提寺となり、さらに、遠く離れた実家の寺と系譜でつながっていたことを知りました。これら、ひとつ、ひとつは偶然です。
ただ、いくつも重なると、「本当に偶然だったのだろうか」と考えてしまう。
同じような話をする遺族は、実は少なくありません。
亡くなる前に、なぜか普段行かない場所へ行っていた。
理由もなく選んだ道が、あとから意味を持つ。
人や場所と、事前に接点が生まれていた。
これらは、特定の宗教やスピリチュアル思想を信じている人だけの話ではありません。
むしろ、「そういうものは信じていない」と言う人ほど、言葉を選びながら、同じような体験を語ります。

「あの世はあるのか」と聞かれて、はっきりと答えられる人はいません。
あるとも、ないとも、断言はできない。けれど、「何もなかった」「意味は一切ない」と言い切ることにも、どこか無理がある。
それが心の整理なのか、ただの偶然の編集なのかは、分かりません。
ただ、失ったあとに振り返る世界は、失う前とは確かに違って見えるのです。
あの世があるかどうかは、誰にも分かりません。
それでも、大切な人を亡くしたあとに起きる出来事が、多くの人に共通しているのだとしたら。
そこに何かを感じてしまうのは、自然なことなのかもしれません。
もしあなたにも、説明のつかない出来事が残っているなら、
それは、決して、私やあなただけの、体験談で終わっている話ではないということです。



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